伊那谷の井月
夏に伊那谷をかすめることになったのですが、思い出すのは井上井月(せいげつ)。
つげ義春さんの作品「無能の人」に井月の話が出てきます。
- 作者: つげ義春
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1998/03/02
- メディア: 文庫
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多摩川の中流の河原で拾った石を売る主人公が、普段から役立たずで社会から捨てられたように生きる古本屋にすすめられた井月の本を読みながら、古本屋と井月を馬鹿だな、と思う。そんなとことんどうしようもない状況からつげ義春さんの「人は実際はそれほど大した事は無い」という鋭い視点が感じられ、自分の未熟さを割とそっとすくってくれるのでついついまた夕べ目を通してしまいました。
そこから漠然と何かやろう、という気持ちがふっと湧いてくる、そんな作品です。
なんだか今年はつげ義春さんの作品巡礼の旅といった感じでレースに参加しているような気がしますね。伊豆・湯宿・奥多摩‥‥‥そして伊那。