プチキレ



 いつも通勤で使っている路線は自分も乗り換える駅までがモーレツに混雑します。

 途中に耳の大きなネズミの遊園地に隣接する駅があるので、夏休みとかに事情を知らない家族連れが手前の駅の大手ホテルに宿泊して電車で移動しようとするため、まんまとハマっていることがあったりもします。

 今朝は欧米系の男性の方が乗ってこられました。最初は割とすいていましたが、それでもその乗り換えの駅に近づくと乗車率200%ぐらいのいつも状態になってきました。

 割とよくある話で、彼もそこで「Oh!」とか言われて「Not ordinary」とか感想を口にしつつ、お供の方と談笑をはじめました。

 密集しているので黙っててほしいのですが、身長2メートルはある彼にとっては、背の低いサラリーマン風情などゴミ同然なのでしょうか、だんだんと「混んでるほうが悪い」的に聞こえるようなことを喋るようになります。

 で、その乗り換え駅に着きました。皆いっせいに降ります。いつも使う車両の乗車口はその駅で一番階段に近いところで、乗り降りも修羅場と化します。彼は人が降りるのをふさぐ形で立っています。自分が降りる駅ではないので、きっと一旦出てまた乗ればいいという発想すら思い浮かばないのでしょう。どこうともしません。

 ダシヌケに

「Are you crazy!」

とか言ってつっかかってきます。


プチ切れましたよ。

「うんにゃろーおめーここは日本で朝の混雑時間で関東のいわゆる「引く」文化の中じゃてめーが降りゃぜんぶまるくいくんじゃねーかよでけー図体で高みから見下ろしてんじゃねーよおめーにとっちゃ日本は大陸の付属品かもしれねーけどここに1億も人が住んでて春夏秋冬があるんだよそれにちゃんと日本語で話せよだいいち日本にきて日本の文化に馴染んではじめて商売できるんじゃねーかよーたむぜーおっさん」

と英語でまくし立てたかったのですが、

「お前がどけろよ、ばーか」

とだけにほんごで口にして降りました。


もめごとはいやなのでよろしくです。